18「熊本の水が磨くこんにゃくの味」 鳥丸八十七商店

熊本の城下町・古町の一角にある「鳥丸八十七(とりまるやそひち)商店」は、大正6年に創業。鹿児島で事業を始めた「鳥丸兄弟商会」が県外に進出拡大する中で、熊本に進出。初代の名を店名に掲げ、約100年もの間、こんにゃく作りを続けてきました。4代目に当たる専務取締役・鳥丸克彦さんに聞きました。

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サラダやおつまみに、独自の商品を開発

こんにゃくは90%以上が水分でできています。「熊本市の上水道はすべて地下水で、蛇口をひねればミネラルウォーターという恵まれた環境です。だからこそ熊本でこんにゃくをつくる価値があるのです」と鳥丸さん。国産のこんにゃく芋と軟水加工した水を使ってつくられたこんにゃくは、くさみがなく、あく抜きも不要です。

用途別にカットした商品や、山都町の無農薬のユズを使った「ゆずっこ」など、独自の商品も販売。「時代に合った商品を開発し、手軽においしく食べてもらえるように工夫しています」と鳥丸さん。S型にカットしたものを、業務用のサラダこんにゃくや、高温加熱プレス加工しておつまみにするなど、新たな商品開発にも取り組んでいます。現在は、1日に約3トンもの商品を製造しています。平成26年には、こんにゃく製造技術が熊本県の地域産業資源に指定されました。

日々の業務で、日常を取り戻す

熊本地震の後、同店では、工場のガラスが割れたり、亀裂が入るなどの被害がありました。都市ガスが止まり、製造の目途が立たないなか、社員の7割が出社し、後片付けに追われました。業務用や給食用の商品は、県外へ納品しているものも多いため、問い合わせの対応に追われたといいます。同じ鹿児島の店から分かれた宮崎の「鳥丸商店」の協力で、商品をトラックにのせ熊本まで運ぶということもしました。

「傷ついて初めて分かることがあります。東北や各地の震災の時に、どれだけ支援ができただろうか、と思いました」と鳥丸さん。「いつでも製造再開できる体制を整え、今日はできるかもしれない、と思う毎日。早く日常に戻りたかったですね」と振り返ります。

都市ガスが復旧したのは4月27日。翌日、ようやく製造再開できました。「最初に作る商品は、通常通りに仕上げることが難しくなりますが、『失敗したこんにゃくをください』と代金を振り込んでくださった方もいらっしゃいました。製造再開する前から、お客さまからのメールや手紙が届き、勇気づけられました」

熊本の復興を食べて応援

7月には、熊本で食品の加工や生産に携わる約30社が集まり、「RESTART KUMAMOTO くまもと食べて復興応援プロジェクト」をスタート。食品・加工品の詰め合わせを販売し、売り上げの一部を寄付しました。福岡で行われた合同展示会への出展や、賛同してくれた県外のスーパーの一角で、商品を販売する活動も行いました。

熊本の好きなところとして鳥丸さんが挙げたのが、「熊本城、人、水、天草、阿蘇、食、人情、自然」の言葉です。

「熊本には、いいところがいっぱいです。今回のことで、『生かされている』と思うようになりました。食の基本は水ですが、すべてつながっていると思います。こんにゃくは食卓の主役ではありませんが、阿蘇の肉や天草の魚の名脇役でいられます。熊本には、おいしいものを食べる人、あたたかな人、やさしい人がいて、人情があふれています」と話してくれました。

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◆だしのうまみがたまらない「熊本おでん」

最近のヒット商品の一つが「熊本おでん」。丁寧にとったかつおだしで、大根や卵などの具材を煮込み、馬肉も加えて熊本らしさを出しました。三角こんにゃくと結びこんにゃく、2種類のこんにゃくが入っています。

「だしが残ったら、ホールトマト缶を入れ、ごはん、ネギ、粉チーズなどを加えてリゾット風にするのもおいしいですよ」と、アレンジ法も教えてもらいました。百貨店など全国に販売が広がっています。

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商品情報など、詳しくは下記ホームページへ。商品は、熊本市内の鶴屋フーディワン、COCOSA B1、一部のスーパー等で販売。店頭でも一部商品を販売しています。また、お取り寄せにも対応しています。

鳥丸八十七商店  http://konjac.me/

RESTART KUMAMOTO くまもと食べて復興応援プロジェクト
https://www.facebook.com/RESTARTKUMAMOTO/

(2016年9月取材/文・写真 ゆうプランニング 野口)

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